にし茶屋街から10分程歩くと北陸鉄道石川線の野町駅があります。確かこの路線はどこかでJRに乗り換えられたはずなので、ちょっとだけ乗ってみることにしました。
切符を買おうとすると発車ベルが鳴り始めました。まあ次の電車でいいやと思ったのですが、ベルは鳴り止まず、駅員が改札口から出てこっちを見ています。どうやら待ってくれているようなのですが、よくわからないので一番高い切符を買って急いで改札を通りました。電車の入り口の脇でお姉さんが待っていて、私が乗るとすぐに発車しました。
お姉さんは車掌かと思ったら、運転席の所に「ワンマン」と書いてあります。
お姉さんは「アテンダント」だそうです。切符は売りますがドアの開閉はやりません。よく見るとこの電車、東急東横線から地下鉄日比谷線に乗り入れていた電車です。懐かしいです。
私は一番高い切符を買ったので終点まで行けますが、JR乗り換えは2駅先の新西金沢でした。車内の運賃表を見るとまだまだ先は長そうです。電車はいつの間にか市街地を離れ、田園風景の中を走っています。
30分程で終点に着きました。鶴来(つるぎ)という駅だそうです。古そうな駅舎です。
知らない場所に来てしまいました。ここはどこなんでしょう?(だから鶴来だってば)
運賃表を見ると、鶴来の先が消されていました。この先の線路は最近廃止になったようです。そう言えば北陸鉄道は、随分前から少しずつ少しずつ路線を縮小していますね。この鶴来駅も遠からず廃止されてしまうのでしょうか。
ガラスケースに電車の部品や駅の備品などがたくさん展示されています。
写真の右下に「加賀一ノ宮」と書かれた板があります。帰宅後に調べたら、加賀一の宮駅は鶴来駅から2.1km先にあった駅で、平成21年(2009年)10月一杯で廃止になりました。私が訪れた平成22年1月にはまだ鶴来駅付近の線路が残っていました。また、昭和55年(1980年)まではここから分岐して新寺井までの能美(のみ)線もありました。
メインストリートの脇に高い松の木があります。樹齢200年くらいでしょうか。
後で調べたら、この道は江戸時代から金沢と鶴来を結ぶ「鶴来往還」という道でした。
鶴来往還に面して古い酒蔵があります。
1時間後、野町行きの電車で金沢へ戻りました。今度はちゃんと新西金沢で降りてJRに乗り換えました。
西金沢駅から北陸本線の普通列車で金沢駅まで戻ります。