洋上から見た停泊中の海鷹丸

練習船 海鷹丸(うみたかまる)

 東京海洋大学の練習船「海鷹丸」です。旧東京水産大学時代の2000年に就航しました。海鷹丸の名は水産大の練習船の名前として代々受け継がれてきたもので、1949年就航の初代は軍艦からの改造だったそうです。現在の海鷹丸は4代目です。

(この写真は2007年5月5日撮影)

 
窓際に勉強机 両脇に二段ベッド

 実習生の居室です。見ての通り4人部屋ですが、勉強机は1つしかありません。この机がなければ客船の2等船室のようにも見えます。

 
小型で単純な円形の操舵輪

 続いてブリッジを見学します。

 ブリッジの中央には操舵輪があります。船の操舵輪というよりむしろ乗用車のハンドルのような形です。勿論、コンパスと連動して進路を保持するオートパイロット付きです。

 配色も最近の自動車のようにお洒落です。

 
エンジンテレグラフなど

 操舵輪の右側の操作盤にはエンジンテレグラフやバウスラスターのスイッチ等が並んでいます。

 
モニター、スイッチ、トラックボールが並ぶ

 左側にはナビゲーションコマンドシステムの操作盤があります。オートパイロットやレーダーと連動した電子海図装置による操船のための装置です。
 このほかにも気象状況や潮流などを自動的に記録する装置など、ハイテク装備が満載です。

 
ブリッジ中央部 操舵輪の前の空間

 ブリッジの前面は中央部が前方に張り出しています。窓の上には速度計、傾斜計、エンジン回転計などのメーターが並び、窓の下にはコンパスがあります。天井から飛び出しているのは伝声管でしょうか。

 
長い机の両側に椅子が並ぶ

 士官サロンです。ホテルの貸会議室のようです。

 
グレーの円筒形の採水器をいくつも束ねたような機材

 東京海洋大学の練習船は、航海以外に海洋観測や漁業の実習も行う点が航海訓練所の練習船と異なります。

 これはCTDと呼ばれる機材です。ワイヤーで吊して海中に沈め、各水深で採水すると同時に水質測定を行います。恐らくグレーの円筒1つ1つが採水器兼測定器なのだと思います。水深8000mまで使用できるそうです。

 海鷹丸での漁業実習はトロール漁と延縄漁が行われるそうです。

 
後部暴露甲板にバスケットゴール

 バスケのゴールがありました。

 
多数のパイプと狭い通路

 最後は機関室の見学です。頭上を太いパイプが通っています。パイプの下を通って奥へ進みます。

 
大きなエンジンを斜め上から見下ろす

 海鷹丸のエンジンです。立型4サイクル単動ディーゼル機関で、過給器・空気冷却器付きです。

新潟鐵工所 6MG41HX
出力 4413kW/520rpm
シリンダ数 6
シリンダ直径×行程 460mm×560mm

 
多数のメーターとモニターが並ぶ

 エンジンの制御盤です。ブリッジの制御盤はお洒落なワインレッドでしたが、こちらは一般的な薄緑色です。

 
羽根の角度を変える機構がわかる模型

 海鷹丸のプロペラの模型です。羽根の角度を変えることで速度調節や前進・後進の切り替えができる可変ピッチプロペラです。

 機関室にこういった模型がいくつか置いてありました。

 
東京海洋大学の横断幕を掲げた海鷹丸

 2004年10月にテレビ朝日の「タモリ倶楽部」で東京海洋大学が紹介された際にはこの船も画面に登場しました。

 海鷹丸は船内、船外ともにとても綺麗な船でした。

 
晴海埠頭に停泊中の海鷹丸

海鷹丸 主要諸元

総トン数 1,886トン
長さ・幅・深さ 93.0m・14.90m・8.90m
航海速力 18.9ノット
定員 107名(うち実習生60名)
建造 三井造船玉野事業所(2000年)

 

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