今度は東京駅発着のブルートレインです。当時は上野発着の北斗星が何かと注目を浴びていましたが、こちらも負けていません。

 
EF66牽引のさくら

 昭和63年頃は東京と九州を結ぶブルートレインが5往復運転されていました。「さくら」は1~8号車が東京-長崎間、9~14号車が東京-佐世保間の運転でした。
 写真は田町付近を走る「さくら」です。この日は短い10両編成になっています。

 
東京駅へ回送されるはやぶさ

 東京-西鹿児島(現・鹿児島中央)間の「はやぶさ」です。昭和60(1985)年からロビーカーが連結され15両編成になりました。
 写真は品川の車両基地から東京駅に回送されるところです。

 
東京を発車するみずほ

 「みずほ」は1~5・8号車が東京-熊本間、9~11・14号車が東京-長崎間の運転で、6・7・12・13号車が欠番の10両編成でした。
 写真は東京駅10番線から発車直前の「みずほ」です。左の方では東北新幹線のホーム(現22・23番線)が建設中です。

 
東京駅10番線に入る富士

 東京駅10番線に入線する「富士」です。昭和61(1986)年から「はやぶさ」と同じロビーカー付きの15両編成になりました。この頃の運転区間は東京-宮崎間です。
 東北新幹線ホーム建設現場の向こうに見える東海道新幹線の0系電車も懐かしいです。

 
あさかぜ1号の食堂車

 博多行き「あさかぜ1号」の食堂車です。昭和61年から62年にかけて「あさかぜ」に投入されたグレードアップ車輌の1つです。
 国鉄末期、東京発着のブルートレインに個室寝台やロビーなどの豪華車輌が順次投入されました。「北斗星」の豪華編成はその集大成と言えます。

 
あさかぜ1号を牽くEF66

 「あさかぜ1号」を牽くEF66です。もともと高速貨物用の機関車でしたが、東京発着のブルートレインの編成が長くなり、それまで使われていたEF65より強力なこの機関車が使われるようになりました。
 「あさかぜ」は東京-博多間の1・4号と、東京-下関間の3・2号がありました。

 
20系を使用したあさかぜ81号

 臨時増発の博多行き「あさかぜ81号」です。旧型の20系客車が使われていました。
 20系は幅52cmの3段ベッドです。当時既に東京-大阪間の急行「銀河」でも幅70cmの2段ベッドでしたから、完全に時代遅れの特急だったと言えます。ドアの開閉が手動というのも、特急としてはかなり珍しかったと思います。
(ちなみに小田急ロマンスカーにも当時まだ手動ドアの車輌がありました)

 

 十年一昔と言いますから、今回の写真を撮ったのは既に二昔前ということになります。その後登場した寝台特急の新型は、平成10(1998)年の「サンライズエクスプレス」7両編成5本と、平成11(1999)年の「カシオペア」12両編成1本だけです。航空機や高速バスの値下げに押され、運賃・料金の設定に柔軟性のあまりない寝台特急はどうも分が悪いようです。
 乗る人がいない列車が消えるのは当然とはいえ、飛行機より気楽でバスより快適な列車の旅が、今後は長距離ほど難しくなりそうで残念です。新幹線のエネルギー効率は飛行機の5倍だそうですから、もっと長距離列車は安くできそうな気もします。それに、今流行りの「エコ」ですよ。(その代わり原発で作った電気も使っているけどね)

 以上、昭和末期に東京と上野で見られたブルートレインの回想録でした。

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