昭和62(1987)年に発足したJRは、国鉄の債務から解放され、折からの好景気に乗って早くも「鉄道ルネッサンス」と呼ばれた黄金期を迎えます。 昭和63(1988)年は春に青函トンネルと瀬戸大橋が開通し、秋にはオリエント急行が来日してお祭り気分が続いた1年でした。
 そんな時代に撮影したブルートレインの写真を、アルバムの中から拾い集めてみました。残念ながら全てを網羅することはできず、上野駅と東京駅で見られた一部の列車だけですが、まだまだ多数運行されていたブルートレインの回想録にしばらくお付き合いください。まずは上野駅からです。

上野駅14番線の北斗星1号

 昭和63年から運転が始まった「北斗星」は青函トンネルを通って上野と札幌を結ぶ寝台特急です。それまでのブルートレインに無かった豪華車輌を連ね、広く世間に知られる話題性の高い列車になりました。
 上野-青森間はJR東日本田端運転所のEF81が牽引します。青函トンネル開通まで上野-青森間のブルートレイン「ゆうづる」に使われていた機関車がそのまま転用されています。車体の色は国鉄時代と同じ、くすんだピンク色でした。
 写真は上野駅14番線で発車時刻を待つ北斗星1号です。このEF81形89号機は平成11(1999)年にカシオペア用の塗装になりましたが、平成20(2008)年に廃車になったようです。

 
北斗星のヘッドマーク

 当初は1日3往復の設定でした。1・2号はJR北海道、5・6号はJR東日本の客車が使用され、個室寝台や食堂、ロビーの内装が異なっていました。3・4号もJR東日本の担当でしたが、混雑期のみの運転で、車輌は普通のB寝台だけでした。

 
EF81 12が牽引する北斗星5号

 上野駅13番線で発車を待つ北斗星5号です。写真の12号機は次の写真のようなブルートレイン用整備の対象外になり、北斗星に使われた期間はわずかでした。

 
田端運転所のブルートレイン用EF81

 程なくして田端運転所のブルートレイン用EF81は、鮮やかな赤地に銀色の星のマークが入った塗装に変更されます。塗り替えだけでなく、黒磯駅にある架線の直流・交流の接続点を通る際、停車せずに回路を切り替えられるようにしたり、モーターや車輪の改修を行うなど特急用機関車としての整備を行っています。

 
EF81 81牽引の北斗星3号

 EF81形81号機牽引の北斗星3号です。81号機は昭和60(1985)年にお召列車を牽引した際、車体側面に銀色の線を入れ、手すりや連結器も銀色に塗装しました。
 平成元(1989)年からは3・4号も毎日運転となり、5・6号と同じ豪華編成をJR北海道・東日本両社で分担して交互に運行するようになりました。

 
ゆうづるのヘッドマークを付けたEF81 81

 81号機の全体がよく見える写真がないので、少し前に撮ったものをお見せします。EF81の車体は元はこういう色でした。
 現在81号機は星マーク付きの特急仕様になっていますが、手すりや連結器などが引き続き銀色に塗られています。

 
クリスマスの飾り付けをした北斗星の食堂車

 JR北海道の北斗星1・2号用の食堂車です。木目調の壁、臙脂色の椅子、卓上のランプで高級感を出しています。
 写真は12月に撮影したもので、クリスマスの飾り付けがされています。

 
北斗星5・6号のロビーカー

 JR東日本の北斗星5・6号用のロビーカーです。「LOBBY CAR」と書かれた窓のない部分はシャワー室です。
 ちなみに列車のロビーは昭和60(1985)年の「はやぶさ」が最初です。シャワーは昭和10(1935)年の「富士」が最初ですが、本格的に使われるようになったのは昭和62(1987)年の「あさかぜ」からです。

 
北斗星の電源車

 発電機を搭載した電源車です。荷物室を持ち、現在も上野-盛岡間で荷物輸送を行っています。北斗星の客車は国鉄時代に作られた車輌の改造車で、北海道を走るため電源車も含めて寒冷地仕様になっています。

 

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