富士・はやぶさの車内

 「富士・はやぶさ」の車内を探検してみましょう。

富士・はやぶさの編成(左が大分・熊本方)
下り はやぶさ(熊本←東京) 富士(大分←東京)
号車 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 11号車 12号車
種類 B寝台 A寝台 ソロ B寝台 B寝台 B寝台 B寝台 A寝台 ソロ B寝台 B寝台 B寝台
上り 富士(大分→東京) はやぶさ(熊本→東京)

 熊本駅に隣接する熊本車両センター所属の14系寝台車が使用されます。「富士」と「はやぶさ」は共通の6両編成で、東京-門司間は連結して12両編成になります。上りと下りで連結順序が逆になっているので東京で折り返す際に「富士」と「はやぶさ」の車両が入れ替わり、熊本→東京→大分→東京→熊本と一巡する運用になります。

シングルデラックスの通路

シングルデラックスの通路

 2・8号車は個室A寝台「シングルデラックス」です。国鉄時代の1976年、24系25形のオロネ25形として製造されました。当時A寝台は2段式の開放寝台が主流でしたが、24系25形はB寝台が2段式になりA寝台との差が小さくなったため、20系のナロネ22形(1959年~1978年)以来久々に個室A寝台が製造されました。東京と九州を結ぶ「あさかぜ」「はやぶさ」「富士」の他、山陰方面の「出雲」にも使用されました。
 2005年に「富士・はやぶさ」用の車両が14系に変更された際、オロネ25形は電源関係を改造して14系に編入され、オロネ15形3000番台になりました。
 写真はオロネ15形3000番台の通路です。1人用個室が14室並んでいます。国鉄時代は部屋を出る際に外から鍵を掛けられなかったのですが、後から掛けられるよう改造されています。なぜかシリンダー錠の部屋と暗証番号式の部屋が混在しています。

 
シングルデラックスの室内

シングルデラックスの室内

 個室内が撮影できなかったので、ほぼ同型のオロネ25形700番台の室内を紹介します。この車両は1987年に東京-博多間の「あさかぜ1・4号」用にオロネ25形を改造した物です。1994年の「あさかぜ1・4号」廃止後は上野-青森間の「はくつる」に転用されましたが、2002年の「はくつる」廃止の際に引退しました。
 「富士・はやぶさ」用のオロネ15形3000番台も元は同じオロネ25形でした。ベッドの表地や壁のランプ等が違いますが、部屋の基本的な構造は同じです。座席をベッドとして使う場合は窓際にある肘掛けを跳ね上げると背もたれが少し引っ込み、座面の奥行きが広くなります。個室は1両に14室あります。

 
シングルデラックスの洗面台

シングルデラックスの洗面台

 窓際のテーブルは蓋を開くと洗面台になります。個室内に洗面台があるのは戦前の1等寝台車以来の伝統です。現在も個室A寝台のみの設備で、同じ個室でもソロなどのB寝台にはありません。

 シングルデラックスの寝台料金は13,350円です。

 
ソロの通路入口にある扉

ソロの通路入口にある扉

 3・9号車は個室B寝台「ソロ」です。「富士・はやぶさ」のソロは1989年から「富士」の東京-大分間、「はやぶさ」の東京-熊本間に連結されました。当時「富士」と「はやぶさ」は24系25形で個別に運転されており、ソロは開放B寝台オハネ25形100番台の改造でオハネ25形1000番台が用意されました。
 1999年に「はやぶさ」が「さくら」と併結運転になるとソロは「さくら」に連結されることになり、東京-長崎間の運行になりました。

 
ソロの通路

ソロの通路

 「さくら」は14系なので、この時電源関係を改造して14系に編入されオハネ15形2000番台になりました。「富士」は「さくら・はやぶさ」併結時と共通の編成で、引き続き東京-大分間でソロが連結されました。
 2005年の「さくら」廃止後は「はやぶさ」に再びソロが連結されました。

 ソロは国鉄時代には無かった種類の寝台です。JRになってから各社で独自に造られたため様々な仕様の物が登場しましたが、3種類に大別できます。
 「富士・はやぶさ」用は開放B寝台同様ベッドが枕木方向に設置されており、車体側面から見るとL字型と上下逆のL字型の2種類の部屋が交互に組み合わさって並んでいます。
 ほかに天井の低い2階建て構造の物(北斗星など)と、ベッドがレール方向で車体中央の通路を挟んで両側に個室がある物(あけぼのなど)があります。

 
ソロの室内

ソロの室内

 ソロの室内です。これは横から見てL字型の部屋です。ベッドの上は天井が低くなっていますが、この上に隣の逆L字型の部屋が重なっています。床は個室の外の通路と同じ平面になっています。ベッドは開放B寝台下段と同様の造りですが、折り畳み式の肘掛けが付いています。窓の脇には時計と照明・空調のスイッチがあります。その右下にある縦長のカバーは読書灯です。

 
ソロの室内

ソロの室内

 写真ではカーテンが閉まっていますが通路側の壁にも窓があります。扉の鍵は住宅用によく見られるシリンダーキーです。車内改札の際に車掌から乗客に鍵が渡され、下車前に回収されます。浴衣や毛布、ハンガー等は開放B寝台と全く同じです。

 「富士・はやぶさ」用オハネ15形2000番台は1両に18室の個室があります。このタイプのソロは他にJR北海道の北斗星用があります。

 
ソロの室内

ソロの室内

 こちらは逆L字型の個室です。ベッドは開放B寝台の上段くらいの高さで、床も高くなっているため室内に階段があります。ベッドの下に隣のL字型の部屋が重なっています。窓は屋根に食い込んだ位置にあるため屋根のカーブに合わせた曲面ガラスになっています。

 寝台料金は開放B寝台と同じ6,300円です。

 
開放B寝台

開放B寝台

 残りの車両は全て2段式の開放B寝台です。「富士・はやぶさ」では1976年から使用されています。それまでの3段式は、下段を座席として使用する昼間は中段を折り畳んで頭がぶつからないようにしていました。2段式は3段式の上段と中段の間の高さに上段があり、そのままでも頭がぶつからないため固定されています。
 末期の「富士・はやぶさ」は14系15形のオハネ15形、スハネフ15形の他、24系25形から編入されたオハネ15形1100番台、14系14形に属するスハネフ14形が使われていました。スハネフ14形は元は3段式で、「さくら」等に使われていた1983年頃2段式に改造されました。
 クッション表地とカーテンは元は青でしたが、後の整備で様々な柄の物に交換されています。写真の車両はスハネフ15形ですが、クッション表地はソロと同じ柄になっています。

 
開放B寝台の上段

開放B寝台の上段

 開放B寝台の上段です。ほとんど屋根裏です。転落防止のベルトが付いています。ちなみに下段はベルトの代わりに折り畳み式の柵があります。
 1・6・7・12号車のスハネフ14形、スハネフ15形は床下にディーゼル発電機があり、照明や空調の電力を供給しています。

 
B寝台通路の折り畳み椅子

B寝台通路の折り畳み椅子

 開放B寝台の通路にある折り畳み椅子です。寝台1区画につき1つ設置されています。1958年に登場した初代ブルートレイン20系のナハネ20形で初めて採用され好評だったといいます。

 B寝台の寝台料金は6,300円です。
 運賃は東京-大分間が14,280円、東京-熊本間が14,570円、特急料金はいずれも3,150円です。

 

航空機との比較

運賃比較(B寝台と普通席)
JR B寝台
(開放・ソロ)
航空機
普通運賃
航空機
前日まで
航空機
1週間前まで
航空機
4週間前まで
東京-大分 23,730円 35,700円 28,000円 25,800円 13,100~
17,100円
東京-熊本 24,020円 36,800円 21,100~
28,000円
18,100~
24,000円
12,600~
17,100円

運賃比較(A寝台とプレミアムクラス・クラスJ)
JR シングル
デラックス
全日空 プレミアムクラス 日本航空 クラスJ
6日前~当日 1週間前まで
東京-大分 30,780円 37,800円 32,800円 普通席の運賃に
一律1,000円加算
東京-熊本 31,070円 39,800円 30,100円

所要時間比較
富士・はやぶさ 航空機
東京-大分 下り 17時間14分
上り 17時間15分
1時間30分
東京-熊本 下り 17時間46分
上り 18時間1分
1時間50分

 航空運賃は2009年5月のものです。

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