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2009年9月 8日
【十四】富士が見えればそれで吉原 其の三
吉原宿に入りました。
吉原宿東木戸跡
東木戸跡は標柱のみで何も残っていません。
少し行くと岳南鉄道の踏切があり、その脇に吉原本町駅があります。
吉原本町駅
岳南鉄道は吉原から岳南江尾までの総延長9.2kmの路線です。
戦前に建設された日産の工場の専用線を延長する形で
まずは1949年に吉原本町駅までが開業。
1953年には岳南江尾駅までの全線が開業しました。
こうした経緯からか、電車は吉原駅を出るとまず東海道本線に沿って西へ進み、
次にジヤトコ(旧日産)の工場を目指して北へ進みます。
そして工場を西へ迂回すると、今度はぐるりと半円を描いて東へ進みます。
その半円の途中にこの吉原本町駅があります。
旧東海道を横切る岳南鉄道7000形電車。
元京王電鉄井の頭線の電車です。
吉原本町駅は吉原駅に次いで2番目に利用者の多い駅です。
日中は駅員がいて窓口で切符を売っています。
入場券を買ったら、最近余り見かけない硬券(厚紙の切符)でした。
この切符の紙も地元産でしょうか。
吉原本町駅の入場券
電車は1時間に2本、貨物列車も1日4往復走ります。
ただ、輸送量はどんどん減っているそうです。
吉原本町駅の先にある吉原商店街は、かつての吉原宿の中心部です。
残念ながらシャッターが閉まっているお店が多いようです。
吉原商店街
左の駐車場の隅に明治天皇御小休所の碑があります。
「明治十一年十一月六日 東海道 吉原 高砂館跡」と記されています。
明治天皇御小休所の碑
歩道の覆いから「吉原宿」と書かれた暖簾が下がっています。
吉原宿の略図が描かれています。
吉原宿の暖簾
この50m程先、商店街の途中で、吉原駅の所から歩いてきた県道171号は、
右から入ってくる県道22号に合流して終わります。
静岡県道22号と言えば三嶋大社の前を通る道で、
以前にも箱根西坂を過ぎて三島宿に入る辺りから、
伊豆箱根鉄道の三島広小路駅の所までを歩きました。
吉原商店街には、かつての宿場町の面影はありませんが、
宿場の様々な施設跡を示すレリーフが歩道に埋め込まれています。
上本陣跡は‥‥
上本陣跡
現在はパチンコ屋です。
下本陣跡は‥‥
下本陣跡
薬局です。私が訪れた日はシャッターが閉まっていました。
脇本陣跡は4箇所あるのですが‥‥
脇本陣跡
カメラ屋とおもちゃ屋と洋服屋と和菓子屋です。
おもちゃ屋と和菓子屋はしっかり営業していました。
問屋場跡は‥‥
問屋場跡
眼鏡屋です。こちらも営業中です。
そして旅籠跡は‥‥
旅籠
鯛屋旅館
おっと失礼、こちらは跡ではなく現役でした。
吉原本町駅から約600m、商店街が終わる直前の静岡銀行がある交差点で、
旧東海道は左に曲がります。
吉原商店街出口手前。旧東海道はここを左折。
今回はその前に一旦東海道を離れて直進します。
商店街を抜けた所に吉原中央駅があります。
吉原中央駅
駅と言っても鉄道の駅ではなくバスターミナルです。
でも、軒下に線路を敷けば地方私鉄の始発駅に見えますね。
鉄道が廃止されて駅がバスターミナルに生まれ変わる例もあるようですが、
ここは初めからバスの駅です。
吉原中央駅の出札窓口
乗り場は鉄道の駅のように1番線、2番線‥‥と呼ばれ、5番線まであります。
時刻表を見るとかなり多くの行き先がありました。
ただし、富士駅や新富士駅へのバスはそれぞれ1時間に1本くらいです。
富士市はJR在来線(東海道本線と身延線)や岳南鉄道、バスが
新幹線とうまく連携しておらず、よそ者にとっては交通の便が悪い印象があります。
吉原中央駅から歩いて10分くらいの所に吉原郵便局があります。
今回はここで風景印を押してもらいます。
品川郵便局以来久々に少し街道から離れた場所での押印になりました。
吉原郵便局
吉原郵便局の風景印
吉原郵便局の風景印は
「田子の浦港から見た富士山に東海道新幹線と特産の洋紙」です。
元吉原の方にある鈴川郵便局と同じ図案です。
切手は愛知の自然 ばらです。
富士市の花がバラなのでこの切手を選びました。
沼津から歩いて来たら夕方になってしまいました。
吉原中央駅から吉原駅行きのバスに乗って一旦帰ることにしましょう。
2009年9月 8日 05:19 | カテゴリー:東海道スタンプラリー