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2008年12月 1日

【十】箱根アタック 其の七 箱根宿編

芦ノ湖の畔に出ると、正面に遊覧船乗り場があります。
芦ノ湖の遊覧船は、伊豆箱根鉄道(西武系)が運航する芦ノ湖遊覧船と、
箱根観光船(小田急系)が運航する箱根海賊船があります。
旧東海道が湖畔に出た所にあるのは箱根海賊船の乗り場です。

手前は箱根海賊船「フロンティア」、奥は芦ノ湖遊覧船「第二こま」。
手前は箱根海賊船「フロンティア」、奥は芦ノ湖遊覧船「第二こま」。

箱根海賊船は現在バーサ、ロワイヤル、ビクトリー、フロンティアの
4隻が就航しています。
このうちフロンティアは19世紀にアメリカの河川で使われた蒸気船を、
他の3隻は17~18世紀のヨーロッパの軍艦をデザインモチーフにしています。
それがなぜ「海賊船」と銘打っているのかは謎です。

なお、フロンティアは2009年春に引退するそうです。

海賊船乗り場の前から芦ノ湖畔の国道1号を進みます。
ここも立派な杉並木です。

芦ノ湖畔の杉並木
芦ノ湖畔の杉並木

海賊船乗り場から200m余り、
歩道橋に「沼津27km 三島20km」の標識が掲げられています。
これは国道経由の距離で、旧街道は三島まで15kmくらいです。
その分坂がきついということですね。

遊歩道入り口の所にある歩道橋
遊歩道入り口の所にある歩道橋

この歩道橋の所から旧東海道は国道1号と並行する遊歩道になっています。
この遊歩道の入り口に
江戸から24里(94.2km)の一里塚があるのですが見落としました。

国道1号と並行する杉並木
国道1号と並行する杉並木

箱根八里の歌にも登場する杉並木は、もちろん江戸時代からありました。
今歩いている箱根宿手前と、この先箱根宿を出た辺りは、
江戸時代からずっと残されている杉並木です。
遊歩道は500m程続き、また国道1号に戻ります。

遊歩道の終わり
遊歩道の終わり

特に案内はありませんが、この遊歩道の終点あたりが
箱根宿江戸方見附があった場所のようです。
旧東海道はここで国道と交差して関所へ向います。
しかし、国道を渡った先は現在神奈川県立恩賜箱根公園の駐車場になっており、
ここから140m程、道がありません。

この先駐車場
この先駐車場

国道1号を渡り、駐車場の外側を歩いていきます。
駐車場を通り過ぎると、道が2本あります。
右は箱根関所資料館、左は関所の江戸口御門に続いています。
左の道を行きましょう。

関所への道
関所への道

駐車場から150m程で関所です。
それでは通関です。

箱根関所江戸口御門
箱根関所江戸口御門

ちょっとカメラ確認させてくださいね。
あー、だめですよこんなの撮っちゃ。橋も港も撮影禁止ですよ。
あれ、この本は何ですか。
蟹工船‥‥
ちょっとこっちへ来てください。別室でお話があります。

困るんだよねーこういうの。あっちこっち写真撮っちゃってさぁ。
何が目的なの。こういうの漏れたら大変な事になるんだよ。

愛知県東部の方言である三河弁は非常にのんびりした言葉なのですが、
関東の人が聞くと怒っているように聞こえることがあるそうです。
今回も三河弁で暢気に受け答えしていたら勘違いされたようです。
怒っていないのに怒っていると思われるのは非常に不快です。
結果的にはその事が原因で本当に怒ってしまうので、
やっぱり怒っているじゃないかと言われるのがさらに不快です。
いつの間にか係員と怒鳴り合いの喧嘩になっていました。
そこへ、騒ぎに気付いた別の係員がやって来て言いました。

明治2年に関所は廃止になったから今は特に問題ないよ。

箱根関所京口御門
箱根関所京口御門

そういうことです。

関所を出て、土産物屋が並ぶ道を100m程進むと国道1号に突き当たります。
左が東京方面、右が目指す京都方面です。

国道1号に突き当たる
国道1号に突き当たる

国道1号に入ると道は暫くまっすぐです。
国道を京都に向かって160m程進むと、左側に箱根町郵便局があります。
宿場町に因んだ和風の局舎です。
ここでお目当ての風景印を押してもらいます。

箱根町郵便局
箱根町郵便局

箱根町郵便局の風景印
箱根町郵便局の風景印

箱根町郵便局の風景印は芦ノ湖と富士山です。
切手は「神奈川県の花」のあじさいです。
背景に芦ノ湖と富士山が描かれていますが、
梅雨時に咲くあじさいと富士山が同時に見られたら幸運ですね。

箱根宿が1618年に芦川宿を拡張する形で設置されたことは既に述べましたが、
その際、新たな集落を作るべく小田原、三島両宿から住民が移住しています。
国道1号に出てからこの郵便局の辺りまでは、
小田原宿からの移住者が住んでいた地域です。

厳しい残暑の中(途中から小雨)、小田原から歩いてきたこの日は、
ここで一旦終わりにして帰宅しました。
続きは晩秋の11月上旬なので、この先急に秋の風景になります。

箱根町郵便局から200m程行くと箱根関所南交差点です。
ここで左から、神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線、
通称「椿ロード」が合流します。
湯河原から大観山を越えて来た道です。
ここから今歩いてきた関所方面が国道1号との重複区間で、
海賊船乗り場の先にある大芝交差点で国道と分かれて仙石原へ通じています。
この箱根関所南交差点の所に駅伝広場があり、石碑が設置されています。
ここは東京箱根間往復大学駅伝競走、通称箱根駅伝の、
往路ゴール、復路スタート地点の近くです。

駅伝広場の石碑
駅伝広場の石碑

この辺りまで来ると観光客相手の店は少なく、住宅街の様相を呈しています。
郵便局を過ぎてからこの辺りまでが、
三島宿からの移住者が住んでいた地域です。
箱根関所南交差点から160m先の交差点で旧東海道は右に曲がり、
国道1号を離れます。

県道737号分岐点
県道737号分起点

ここは神奈川県道737号長尾芦川線の終点です。
県道737号は芦ノ湖の北の仙石原から芦ノ湖西岸を通り、
芦ノ湖の南にあるここ芦川に至る道です。
ここから少しの間県道737号を進みます。道の両側は住宅地です。
この辺りが箱根宿設置前に芦川宿があった地域です。
この先箱根西坂を歩くにあたり、駒形神社で道中の無事を祈願しました。
県道737号に入って170m程の所にあります。

駒形神社
駒形神社

駒形神社の先30mの所で県道は右にカーブしており、
そこから左に細い道が分かれています。
ここで箱根宿は終わりで、左の細い道が旧東海道です。

この辺りに箱根宿京方見附があった
この辺りに箱根宿京方見附があった

では、国境の箱根峠を目指しましょう。

2008年12月 1日 06:43 | カテゴリー:東海道スタンプラリー