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2008年9月18日

【九】小田原町名巡り 其の三

本町交差点です。
前回はここを右に曲り、小田原郵便局に寄ってから小田原駅へ行きましたが、
今回は直進して箱根を目指します。

本町交差点
本町交差点

中宿(なかじゅく)町です。高梨町とともに問屋場があり、10日交替で勤めました。

中宿町
中宿町

五色唐辛子
五色唐辛子の鉢植えがありました。

次は欄干橋町です。
町内から小田原城内へ架けられていた橋の名が町名の由来と言われています。
この辺り、東海道は小田原城の南150m程の所を通っています。

欄干橋町
欄干橋町

欄干橋町にあるお城のような建物は「ういろう」です。
元来は小田原名物の万能薬「透頂香(とうちんこう)」を売る薬局です。
現在、透頂香は薬剤師と相談の上、
効能に合う症状と判断された場合のみ購入できます。
一方お菓子の「ういろう」は、元は薬局で来客用に出していたもので、
明治以降は一般向けに販売するようになりました。
もちろん現在も誰でも買うことができます。
愛知県人の私は、ういろうは名古屋のものだと思っているので無視です。
(嘘です。朝早くて開店前でした)

ういろう
ういろう

続いて筋違橋町です。
ここから南へ安斎小路、狩野殿小路、諸白小路が延び、
小路沿いに武家屋敷が並んでいたそうです。
それぞれの道の名は現在も残り、諸白小路はバス停の名前にもなっています。

筋違橋町
筋違橋町

本町交差点から1km弱、早川口交差点です。
国道の上をJR東海道本線と箱根登山鉄道が並んで跨ぎます。

早川口交差点
早川口交差点。箱根登山鉄道の線路を小田急ロマンスカー(10000形HiSE)が通過中。

かつてここから熱海まで、豆相人車鉄道が延びていました。
人車鉄道とは、客車を人の力で押す鉄道版人力車です。
1895年から1900年にかけて小田原-熱海間25.3kmが建設されました。
片道3時間50分で運行したといいますから、平均速度は6.6km/hです。
自転車くらいの速さでしょうか。歩くよりは速いですね。
人力で押すわけですから、客車は数人しか乗れない小さなものですが、
国鉄並に上等、中等、下等の3グレードに分かれていました。
下等に乗ると線内随一の急坂で降ろされ、客車押しを手伝わされたそうです。
1907年には蒸気機関車による運行になりましたが、
1923年の関東大震災で運行不能になり、そのまま廃止されました。

線路の下をくぐると、御組長屋(おくみながや)です。
ここは城下町の入口なので、
鉄砲や弓を扱う組の者が住む長屋が設けられていました。
江戸方見附付近や、井細田口(現在の小田原駅北東酒匂川沿い)にも
同様の長屋がありましたが、地名になったのはここだけです。

御組長屋
御組長屋

以上、街道沿いに昔の地名をざっと見て来ました。
それぞれをもっと詳しく見て回れば、城下町の機能がよくわかることでしょう。
早川口交差点から170m、板橋見附交差点で小田原宿は終わりです。
向こうに新幹線の線路が見えますが、ここはくぐらず右に曲がります。

板橋見附交差点
板橋見附交差点。こだま537号新大阪行きが通過中。

もう少しで小田原市を出ます。

2008年9月18日 13:25 | カテゴリー:東海道スタンプラリー