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2008年5月30日

【六】藤沢の「ほんちょう」と「ほんまち」

県道30号戸塚茅ヶ崎線を進み藤沢市に入りました。
道路脇には松の木も植わっています。
駐車場に置かれた車のナンバーも「横浜」から「湘南」に変わりました。

これより藤沢市
これより藤沢市

やがて道は長い下り坂になります。
遊行寺(ゆぎょうじ)坂です。
元の道を掘り下げて改修したため両側が高い崖になっています。

一里塚跡の標柱
一里塚跡の標柱

かつて一里塚があった場所が標柱で示されています。
「現在は何も残っていません」とわざわざ書かれています。
標柱があるのは元の地面より低い場所ですから、
上に何か残っているのではと期待する人も多いのでしょう。
この近くに見附跡の標柱もあるようですが見落としました。

遊行寺
遊行寺

坂が終わる少し手前の右手にある大きなお寺が遊行寺です。

県道30号は遊行寺坂が終わるとそのまま直進しますが、
旧東海道は遊行寺の先で右に曲がり、県道を離れます。

ただ、この辺りから右に入る細い道は2本あり、
どちらが旧東海道かは資料によって異なります。
今回は決め手になる案内表示などが無く、距離も短いため、
両方の道を歩いてみました。

県道から右折する場所
ここを右へ行くと遊行寺の南側の門の前。
奥の「クスリ」と書かれた建物の向こうにもう1本道がある。

手前の道はうっかり見落としそうな程細く、
遊行寺の総門(表門)の前に出ます。
旧東海道は門の前で左折です。

遊行寺総門
遊行寺総門

奥の道は、これと言って変哲のない道でした。
突き当たりを左折して遊行寺総門の前からの道と合流します。

その先にある赤い欄干の橋が遊行寺橋です。
かつてここに架けられていた大鋸(だいぎり)橋は
歌川広重の浮世絵に描かれています。
下を流れる川は境川です。

遊行寺橋
遊行寺橋

橋を渡った先で国道467号に突き当たります。
旧東海道はここを右折し、800メートル程の短い間国道を通ります。
その途中に藤沢本町郵便局があります。
今回はここで風景印を押してもらいます。

藤沢本町郵便局
藤沢本町郵便局

藤沢本町郵便局の風景印
藤沢本町郵便局の風景印

藤沢本町郵便局の風景印は
「広重東海道五十三次・藤沢、『昔話のある町』の看板」です。
切手は「神奈川県の花」のふじです。
藤沢市の花であるふじと江の島が描かれています。

「昔話のある町」の看板
「昔話のある町」の看板

これが「昔話のある町」の看板です。

この日は神奈川台関門跡を午前10時に出て、
藤沢本町郵便局には午後4時半に着きました。
過去2回、最後の郵便局に着くのはぎりぎりでしたが、今回は順調でした。
ここで一旦帰宅し、後日続きを歩きました。

藤沢もまた宿場町を感じさせる物は寺社以外ほとんどありません。
江戸方見附跡や一里塚跡がそうであったように、本陣跡も標柱だけです。
ただ、街道沿いには古い建物が散見され、
昔から栄えた町であることはわかります。

旧東海道藤沢宿内の古い建物

旧東海道藤沢宿内の古い建物

街道沿いの医院にあった鉢植え
街道沿いの医院にあった鉢植え

ここでも春の花が街道を行く旅人の目を楽しませています。

郵便局から500m弱、白旗交差点で早くも国道467号と別れます。
ただし今回は国道の方が右折。旧東海道は直進し、
ここから神奈川県道43号藤沢厚木線になります。
この辺りに義経の首洗い井戸があるはずなのですが、
見つからないのでまた今度にします。
そこから200m弱で伊勢山橋です。

伊勢山橋
伊勢山橋

下を小田急江ノ島線が通っています。
橋の袂から坂を下りるとすぐに藤沢本町駅です。
町名の読みは「ほんちょう」で、郵便局も藤沢「ほんちょう」郵便局ですが、
駅は藤沢「ほんまち」です。
各駅停車だけが停車します。

藤沢本町駅
藤沢本町駅。
5200形各停町田行き(左)と1000形各停片瀬江ノ島行き。

ところで、今回の旅に関連する移動では、
保土ヶ谷宿で相鉄(相模鉄道)、ここ藤沢宿で小田急に乗りました。
どちらも久々の乗車だったのですが、
いつの間にか車体にポップな感じの新しいロゴマークが付いています。
新車はともかく、昔から走っている古い車輌に付いているのを見ると
ちょっとびっくりしますね。
私はずっとJRの沿線に住んでいるのですが、
1987年の国鉄民営化の時に一斉にJRマークが付いたのを見て
若干抵抗を感じたことを思い出しました。

伊勢山橋を渡るとすぐ上方見附跡があります。
例によって標柱のみ。これで藤沢宿は終わりです。

伊勢山橋から1km程、メルシャン藤沢工場の向かいに
「おしゃれ地蔵」があります。
女性の願い事なら何でも叶えてくれるお地蔵さんで、
願いが叶ったら顔に白粉を塗ってお礼をするのだそうです。
仲の良い女性の代わりに私がお参りではだめでしょうか。
とりあえずだめでもいいから
彼女のために何かお願いしておけばよかったですね。

おしゃれ地蔵
おしゃれ地蔵。解説板によると地蔵よりむしろ道祖神の形態だそうです。

メルシャン藤沢工場の先、羽鳥交差点で、
白旗交差点から歩いてきた県道43号が右へ分岐してお別れ。
ここから神奈川県道44号伊勢原藤沢線になります。
しかしそれも束の間、わずか1km先の四ツ谷交差点で
藤沢市に入る手前でお別れした国道1号に戻ります。
藤沢バイパス出口交差点からわずか5.5km程の間に
道は国道1号→県道30号→国道467号→県道43号→県道44号と変わり、
結局国道1号に戻ります。
これだけ変わるともうどうでもいい気がしてきます。

藤沢市はここまで
藤沢市はここまで。市内の歩行距離は約5.8kmでした。

そして、国道を歩くこと700m、藤沢市が終わります。
次の宿場は平塚ですが、その前に茅ヶ崎市を通ります。

2008年5月30日 15:52 | カテゴリー:東海道スタンプラリー