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2008年4月25日

【一】品川行ったり来たり

高輪大木戸を過ぎた先に泉岳寺があります。
年配の人に「逆ギレ」という言葉を説明する時、私は忠臣蔵を例にします。
まあ、偉そうに説明する私も、逆ギレを「さかぎれ」と読んでしまうのですが。
(だって、その方が日本語として自然じゃん)

品川駅
中央がJR品川駅。右端が京急品川駅。

暫く行くと品川駅の前に出ます。
ここはまだ港区です。品川区ではありません。ややこしいですね。
ちなみに品川区には目黒駅があります。これも目黒区じゃないんですね。
品川駅の先でJRの線路を跨ぎ、京急の踏切を渡ります。

京急の踏切
京急の踏切。ツツジが咲いています。電車は2100形の快特泉岳寺行き。

踏切の先に屋形船の溜まり場があります。
今は埋め立てが進みましたが、江戸時代まで東海道のこの辺りは海沿いで、
品川駅も1872年に開業した時は海辺だったといいます。
歌川広重の浮世絵でも、街道沿いの建物の背後はすぐ海になっています。

船溜まり
船溜まりの屋形船。水路を写真右奥へ進むと天王洲アイルです。

本陣跡は現在「聖蹟公園」という公園になっています。
1868年、京都から江戸へ向かう明治天皇の宿舎にここが使われた事を記念し、
御聖蹟の碑が建てられています。

御聖蹟の碑
聖蹟公園にある御聖蹟の碑。

と、ここまで歩いて、どうも様子がおかしい事に気付きました。
よく見ると、私が歩いている道は東海道より1本海寄りの道でした。
京急の踏切の所まで戻ってみると、隣にもう1つ踏切があり、
脇に「従是南 品川宿 地内」と書かれた柱が建っています。
ここが入り口だったんですね。

もう一つの踏切
これがもう一つの踏切。品川宿の入り口を示す柱が建っています。

日本橋から品川宿入り口まで、旧東海道は現在国道の一部になっていますが、
ここから大森までは国道から外れます。
沿道には旧東海道である事を示す標識も建てられています。

旧東海道の標識
旧東海道の標識

暫く行くと、街道沿いは商店街になっています。
結構賑わっているみたいです。

児童公園
児童公園に凝った滑り台。右は藤棚。

恐らく地元の子供たちの遊び場であろう小さな公園です。
この滑り台、江戸時代の灯台を模した形でしょうか。
右の藤棚も古風な造りです。その下にある背の高い箱も気になります。
また、写真にはありませんが、この公園の入り口には
静岡県のどこかの宿場町から移植したという松の木もあります。
(同様の松はここ以外の公園にもあります)

品川寺山門
品川寺山門

青物横丁駅の近くに品川寺(ほんせんじ)、海雲寺があります。
この近辺までが品川宿です。
宿場周辺には古いお寺が多く、見るべき場所はたくさんあります。
しかし、この東海道の旅は物見遊山が目的ではありません。
京都まで歩いて行くのが目的です。
日本橋に続いて品川でも道に迷って時間が無いので先を急ぐ事にします。
東京に住んでいる限り品川は好きな時に来られるからいいでしょう。

品川宿を出て少し歩くと、浜川橋という小さな橋があります。
この先にある鈴ヶ森刑場へ送られる罪人を親族らがここで密かに見送り、
涙を流して別れたという場所で、「涙橋」の別名があります。
現在の橋は1934年に架けられました。結構古いですね。

浜川橋
浜川橋

浜川橋を過ぎた先で重要な事を思い出しましました。
郵便局へ行くのを忘れています。
歩いて戻ると時間的に厳しいのでここは現代人に戻る事にして、
(デジカメで撮影している時点で既に現代人なのですが)
再び浜川橋を渡り、立会川駅から京急で鮫洲駅まで行きました。
ここから大井町の品川郵便局まで歩きます。
街道沿いの郵便局には風景印が無いので、
少し離れたここで風景印を押してもらいます。

品川郵便局
品川郵便局

品川郵便局の風景印
品川郵便局の風景印

品川郵便局の風景印は品川寺の江戸六地蔵、品川神社、大井埠頭です。
1989年から使われている物で、その前は鈴ヶ森遺跡と大井埠頭だったそうです。
切手は旧50円普通切手です。
品川宿の先にある蒲田の梅屋敷に因んでメジロの絵の切手にしました。

再び電車で立会川まで戻り、続きを歩きます。
先程の浜川橋の先に鈴ヶ森刑場跡があります。
1690年にオランダ使節の一員として来日した
ドイツ人医師エンゲルベルト・ケンペルの紀行文に次のような記述があります。

品川の手前には刑場があって、
通り過ぎる旅行者はそれを目にしてむかつくような気持ちになる。

(江戸参府旅行日記 ケンペル著 斉藤信訳 東洋文庫)

今も残る火炙りや磔のための柱を立てる台座は通りに面した場所にあり、
ここでの処刑が見せしめのためであった事が伺えます。

ここで旧東海道は再び国道15号線と合流します。
少し歩くとまた別れ、ミハラ通りという細い道になりますが、
やがてまた合流します。
そこから5km程国道を歩くと多摩川です。
多摩川を渡れば川崎です。夕方5時までに着かないとハンコがもらえません。
先を急ぎましょう。

2008年4月25日 20:48 | カテゴリー:東海道スタンプラリー