2006年1月14日
敬意の夜行列車
母がお年玉と称して本を買ってくれました。
なんでも、正月に古本屋に行ったら、
自分が欲しい本の隣にあったからついでに買ったんだとか。
(推定価格100円)
その本は宮脇俊三さんの「時刻表おくのほそ道」
地方私鉄を訪ねる紀行文で、雑誌の連載記事を後でまとめた本です。
最初に訪れるのは北海道の鉄道なのですが、
同行した編集者の提案で、飛行機ではなく列車で北海道へ向かいます。
まだ青函トンネルが無かった頃で青函連絡船に乗るのですが、
宮脇さんは乗船時にこんな事を言います。
「やっぱり北海道へ渡るには、これでなくちゃいけない。
あと3時間もすれば函館が見えてくる。
こういうふうに徐々に接近して行くのが北海道への礼儀です」
私も、函館へ行く時はいつも夜行列車でした。
単純に「列車が好きだから」というわけではないのですが、
どうしてもそうでなければならないと思いつつも、
なぜかと問われれば答えられませんでした。
なんだか宮脇さんが答を教えてくれたみたいでちょっと嬉しいです。
昨年は出張でよく飛行機に乗りましたが、
北海道へ行く機会が無くて良かったと思います。
どたばたと慌ただしく到着し、がたがたと気忙しく仕事をして、
用が済んだらとっとと帰る‥‥。
そんな事をしたら自分にとっての「聖地」が荒らされてしまう気がします。
でも、帰りぐらいは飛行機にしても罰は当たらないかも。
滞在時間も長くなるし‥‥と少々軟弱な考えも無くはありません。
2006年1月14日 23:15 | カテゴリー:のりもの