2005年11月25日
手紙
友人から手紙が来ました。
こちらは、手紙と言うほどのものではないのですが、
旅先からよくはがきを出していました。
しかし、先方はずっと体調を崩していたようで、手紙をくれたのは久し振りです。
嬉しいので相手の携帯電話にメールを送ったのですが、返信はありません。
手紙によると、まだ完全に体調が回復したわけではないようですから、
また寝込んでしまったのでしょうか。
それとも、急に次の休日に会おうなどと私が言い出すものだから
当惑してしまったのでしょうか。
この手紙が書かれたであろう一昨日あたりにメールを出していれば
すぐに返事がもらえたでしょうか。
私は、電子メールが味気ないとは思っていませんが、
郵便の手紙のやりとりに流れる時間の感覚はなかなかいいものです。
今様の言い方をすれば「スロー」でしょうか。
「書く」という作業には不思議な力があるようで、
読んだだけでは理解できない事も書いてみるとわかったり、
夢をノートに書き綴っていると実現したり‥‥。
手紙も、先に考えておいた事を紙の上に吐き出すのではなく、
書く事自体が思考だと思います。
だから、書いているうちに気が変わって、
最初から書き直したり、結局出さなかったりするのです。
以前、当時付き合っていた人からもらった手紙の宛名書きを見た瞬間、
「これはまずい」と思った事がありました。
果たして、開封してみれば予想通りの内容。
手書きの文字は、書かれた言葉の意味以上に語るものです。
しかし、旅先からせっせとはがきを出す割には
家でじっくり腰を落ち着けて手紙を書かない私は
筆まめなんだか筆無精なんだか‥‥。
2005年11月13日
銀色のロンドンバス
9月に名古屋でロンドンバスに乗りました。
この時のビデオを「ロンドンバス 名古屋を走る」と題して公開していますが、
この時乗ったバスの事を調べていたら、
なんとロンドンバスを改装したカフェバーが浅草にある事が判明。
早速友人のBlueRibbon夫妻を誘って行きました。
銀色のロンドンバスの2階席へ上がると、まだ他のお客さんは来ていません。
すかさず、名古屋で座れなかった最前列の席に陣取ります。
このバーの素晴らしいところは、このまま夜の銀座へと走り出してしまう事です。
普通のバスの屋根ほどの高さにある客席で
銀ブラ中の人々の視線を浴びながら飲むデンキブランもなかなかいいものです。
人はなぜドライブが好きなのでしょう。
背の高いバスに乗って、お酒を飲みながら、繁華街を行ったり来たりする。
たったこれだけの事に「非日常」の楽しみがあるなんて、
我々の生きる「日常」の世界は想像以上に狭いのかも知れません。
だいたい、銀色の2階建てバスが現れただけで
まるで夢の世界からやって来た乗り物のように見えてしまうなんて、
窮屈な世の中に生きている証拠でしょう。
この日の客は我々3人のほか、もう1組の3人連れだけ。
こんな素敵なバーですが、まだまだ知られていないのでしょうか。
もったいないような、かといってあまり有名になり過ぎてほしくないような‥‥。
2005年11月12日
流行り廃り
靴を買いに行きました。
街を歩く時も、バイクに乗る時も履けて、しかも防水。
そして、あまり暗い色は避けたい‥‥。
残念ながらそんな靴はありませんでした。
3、4年前ならホーキンスのトレッキングシューズがありました。
今でもあることはあるのですが、黒や茶色ばかりです。
そう言えば去年あたり、リーバイスのスリムが全滅しました。
私が愛用していた606、616、626といった商品はことごとく絶版です。
その数年前には刺繍入りのシャツが消えました。
服や靴にはどうしても流行り廃りがありますが、
そうそう自分の好みは変わるものではありません。
それに、どんなに流行っていてもダサい物はダサいし、
必ずしも自分に似合う物が流行るわけではありません。
近年、眼鏡は横長の細いレンズばかりになってしまいましたが、
あれは縦方向の視野が狭くなるので機能的には少々問題があります。
しかも、私の顔には大きいレンズの方が似合います。
ところが、去年サングラスを買おうとしたところ、
大きなレンズのサングラスはなかなか無くて、
見つけるのが大変でした。
流行りなどという「他人の都合」には付き合っていられません。
流行を追うことの面白さは理解できますが、
ここまで来るとはっきり言って迷惑です。
流行りの物が気に入るのは、数年に一度でしょう。
だからその間の時期は、流行っていなくても引き続き使い続けたいのです。
ところで、今日行ったお店には、
20年前に流行ったコンバースのバスケットシューズが
昔と変わらぬ姿で売られていました。
あーあ、ホーキンスの青いトレッキングシューズがあれば
一緒にコンバースの赤いバスケットシューズも買ったのに。
後で母に聞いたら、コンバースのバスケットシューズは
20年前どころか、1ドルが360円だった頃からずっと変わらないそうです。
そう言えば、同じく20年前に流行ったバスケットシューズでも
アメリカンウルフは売ってなかったわ。
コンバース恐るべし。
2005年11月 9日
病葉
TARAKOさんは「ちびまる子ちゃん」の声優として有名ですが、
シンガーソングライターでもあります。
もう10数年前になりますが、
私は一時期TARAKOさんのライブにせっせと通っていました。
その頃、時々TARAKOさんが歌っていた「シルキーレイン」という曲に
「わくらば」という言葉が出て来ます。
私はこの言葉を知らず、いつも聞き流していたのですが、
後でCDが発売された時、歌詞を見て「病葉」と書く事を知ると、
なぜか急に興味が湧いてきました。
失った恋に未練を残しつつも、新しい人生に向かって歩き出そうとする
「シルキーレイン」の主人公は
「いつか夢に見た病葉」を心に抱いて生きています。
「病葉」は、前にちょっと話した「邂逅に」と関係があるのでしょうか。
「病葉」は本来病気で枯れてしまった葉の事ですが、
転じて「魚や貝など海産物の身の傷んだ部分」という意味でも使われます。
「邂逅に」出会った男女が別れれば、心に「病葉」が残る‥‥
というのはちょっと強引かも知れませんが、
「シルキーレイン」の歌詞には「ひと夏だけのピエロ」というくだりもあり、
二人はきっと「邂逅に」出会ったのだろうなどと想像してしまいます。
2005年11月 4日
才能が無くても‥‥
「君のCDを出しましょう」
友人であるBlueRibbonさんにこう言ってみたら、
おもしろがって話に乗ってくれました。
本当は自分のCDを出したいのですが、
私には作曲家、演奏家いずれの才能もありません。
そこで目をつけたのがBlueRibbonさんの作品群。
つまり、人の褌で相撲を取るということですね。
私の役目は録音から販売までのお膳立て。
おおかたの目星は付けてあります。
‥‥が、まだ1つだけ問題あり。
私にはセールスの才能も無かった‥‥。
さて、どうなることやら。
とは言え、楽曲は素晴らしいので、
完成したら是非聞いてくださいね。
2005年11月 1日
邂逅に
「邂逅に」と書いて「わくらばに」と読むそうです。
どうした事か、少し前にこの言葉を知ってから、
どうも気になって仕方がありません。
何とか「邂逅に」という言葉を使ってみたいものです。
例えば、友人との会話。
「へぇ、よくそんな珍しい物を手に入れたね」
「うん、邂逅に見つけたんだ」
だめだ、なんかおかしい‥‥。
こういった古い言葉にはやはり独特の魅力があるもので、
以前、仲間内での雑談で、日常会話に枕詞を入れる試みがなされ、
「垂乳根の母ちゃんに怒られた」
「白妙のシャツのボタンが取れそうだ」
などと珍妙な言い回しをした事がありました。
そもそも「文語」は会話のための言葉ではないのに。
と、こうして硯ならぬパソコンに向かひて、
心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくりしブログに
邂逅に出会いたる訪問者あらば、
「あやしうこそものぐるほし」とぞ思ふべし。
あ、使えた。